「予知夢と夢トリビア」カテゴリーアーカイブ

夢から田中さんを探りだす

フロイトとユングの夢分析、あるいは夢解釈の方法論は違っていても無意識のメッセージを探り当てて精神的な治療に当てるという意味では変わりありません。

夢分析の簡単な例を上げてみましょう。

ある日を境に、毎日、同じ郵便配達が手紙を届けに来るけれど、その手紙の中身は白紙だったりまったくの意味不明の文章だったり、という夢を見るようになったとします。

時には驚くような内容が書かれている時もありますが、起きた時には手紙の配達だけを覚えていて内容はすっかり忘れてしまっているという状況が続いたことによって、寝不足が続き、ストレスが溜まったために夢分析を受けたとします。 続きを読む 夢から田中さんを探りだす

クスリでは治らない精神的な病気も回復へ

前項では夢分析の簡単な例を上げましたが、実際はこれほど簡単なことではありません。

とくにユングの精神分析学はコミュニケーションによって夢の内容を広げていきながら無意識のメッセージを探る拡充法を用いるため、問題の収束までは慎重かつ時間がかかります。

しかし結末が見えてくるに従い、本人の気がつかないところの原因が分かってきて、治療がうまくいった際は心の中のモヤがすっかり晴れた気分になることもあります。

また悩みを意識できない場合の治療にも有効的です。 続きを読む クスリでは治らない精神的な病気も回復へ

なぜ夢を見るのか?というメカニズムの前に

夢はすべて記憶から生まれます。

人に言えないような恥ずかしい内容でも、荒唐無稽な物語でも、それらを自分で体験していなくても何らかの記憶(小説や映画、人から聞いた話など)が無意識で組み合わされ、メッセージとなって表れるのです。

もちろん、そのメッセージには重要なものもあれば、まったく無価値なもの(お金が欲しい、とか好きな子とキスしたい、とか、そんな類)もあります。

しかし、これら無意識からのメッセージがなぜ構築されるのか?さらに言えば夢をなぜ見るのか?それは現在でも解明されていません。

フロイトやユングの夢分析、夢解釈についても意識と無意識については物理的な立証はなく、単なる理論に過ぎません。 続きを読む なぜ夢を見るのか?というメカニズムの前に

筒井康隆ワールド全開の「パプリカ」

筒井康隆氏の「パプリカ」は1993年に出版されたサイコ・SF小説です。

パプリカとは、精神医学研究所に努める優秀なPT(サイコセラピー)治療者、千葉敦子のもうひとつの顔となっている夢探偵の愛称です。

小説では西進医学研究所の派閥争いから、千葉敦子と同僚の時田浩作が開発した他人と夢を共用できるデバイス、DCミニが盗まれ、それを奪い返すために夢の中でパプリカが活躍するという物語。

エンターテイメントのように思われますが、随所に筒井氏のブラッキーな部分と不条理な部分が交差しており、読み進むうちに得体の知れない不安感が襲ってきます。 続きを読む 筒井康隆ワールド全開の「パプリカ」

夢のアイデアが秀逸な「インセプション」

他人の夢の中に入り込む、という物語はいろいろありますが、映画で秀逸だったのが「インセプション」です。

主人公のコブは他人の夢の中に侵入してアイデアを盗む企業スパイで、日本人の斉藤からライバル企業の社長の息子に侵入し、企業解体のアイデアを夢の中に植えつける(インセプション)という難しい仕事の依頼を受けます。

クリストファー・ノーラン監督による2010年に製作された純粋なハリウッド映画ですが、斉藤役に起用されたのが渡辺謙さん。

主人公役のレオナルド・ディカプリオに負けぬアクの強い斉藤役を熱演していたことが強く印象に残っている作品です。 続きを読む 夢のアイデアが秀逸な「インセプション」

莊子が語る「胡蝶の夢」

夢をモチーフにした映画や小説は他にも数多くありますが、キリがないのでとりあえずは前述した2作だけに留め、休憩の最後は「胡蝶の夢」について説明しましょう。

「胡蝶の夢」とは莊子の説話です。

莊子は胡蝶(蝶のことですね)になった夢を見ました。

ひらひらと気持ちよく舞い、自分が莊子であることをまったく自覚していませんでしたが、夢から覚めた瞬間、莊子であることを自覚します。

そこで胡蝶は、果たして莊子が夢の中で胡蝶になったのか、それとも自分は胡蝶で莊子になった夢を見ているのか、と自問します。 続きを読む 莊子が語る「胡蝶の夢」

眼球がよく動くから「レム睡眠」

現代の脳科学研究では、なぜ夢を見るのか?という原因について解明はされていません。

しかし研究は続けられています。

近代、夢の研究は被験者測定にしか頼ることはできませんでしたが、現代は脳波測定など物理的側面からも研究できるようになっています。

その物理的側面からの研究で発見された代表的な例がレム睡眠とノンレム睡眠ですね。

レム睡眠のレムはREM、Rapid Eye Movementの略、つまり睡眠時にまぶたの下で眼球が激しく動いていることから命名されました。 続きを読む 眼球がよく動くから「レム睡眠」

日本の研究グループが発見したレム睡眠スイッチ

睡眠を取らないと人間は死んでしまいます。

これは人間だけでなく、あらゆる動物に当てはまるとされています。

そこで当然のように睡眠は身体の休息のために行われるという考え方が生まれてきますが、しかし身体の休息だけが目的であれば、顕在的な意識を喪失させる睡眠が必ずしも必要ではなく、身体を横たえて動きを止めるだけで十分なはず、という反論が生まれます。

身体の休息という意味では反論が生まれてしまいますが、脳の活動のために睡眠が必要という考え方になれば反論が難しくなります。

つまり脳には意識が顕在の時に働く機能と、顕在していては活動しない、あるいは活動が鈍い部分があるので、顕在している意識を喪失させて脳の別の部分を働かせる、という論理です。 続きを読む 日本の研究グループが発見したレム睡眠スイッチ

レム睡眠を動物学見地から考える

レム睡眠中は筋肉が弛緩し、体動がまったくない状態になります。

以前、この状態はエネルギーの消費を抑えるために存在している、と考えられていました。

というのも爬虫類や両生類などにもレム睡眠が存在し、その間は人間と同じようにまったく無動となり、その間にエネルギー消費を抑え、生命力を高めていたことが理由です。

ただし爬虫類や両生類にはノンレム睡眠がありません。

これは捕獲動物が急に襲ってきた時でもすぐに対応できるように深い眠りを避け、浅い眠りのレム睡眠を続けることによっていつでも覚醒できる状態にしていることがその理由と言われています。 続きを読む レム睡眠を動物学見地から考える

明晰夢を意図的に見る方法を開発

明晰夢とは睡眠中に見る夢の中で「これは夢である」と自覚できる夢のことです。

一般的に夢は明確なストーリーであっても不条理な断片映像であっても、それを夢と自覚することはできませんが、明晰夢に限っては自分が第三者的になって、夢の状況そのものを変化させ、自分に都合の良いストーリーに書き換えることも可能と言われています。

これまで明晰夢の存在は被験者測定でしか判別できませんでしたが、2014年、ドイツのヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学のウルズラ・ボス氏を中心とした研究チームが意図的に明晰夢を見られるようにする実験に成功しました。 続きを読む 明晰夢を意図的に見る方法を開発

個人差が激しい夢の検証

夢は頻繁に見る人と、極端に言えばまったく見ない人がいます。

夢に関する知識では、「まったく見ていない人でも寝ている間に必ず夢を見ていて、それを忘れているだけだ」などと言う場合もありますが、たとえ夢を見ていても本人がまったく覚えていなければ、それを夢と呼ぶことには無理があるでしょう。

単なる脳活動の一端でしかありません。

また夢を見た、という人でも鮮明に覚えている時もあれば断片的な時もあるし、輪郭がはっきりしなかったり意味がまったく分からなかったり、とさまざまで、さらに見た夢の映像を繰り返そうと思ってもその通りにならず、言葉にすると違った表現になる、あるいは覚醒した途端に夢を誇大化させてしまっても気がつかない、などのケースもあります。 続きを読む 個人差が激しい夢の検証

これらの予知夢は存在する

本コラム前半部分で予知夢はない、と説明しました。

確かに大惨事が起きる、宝くじの当たり番号が分かった、などの予知夢は存在しないし、仮に夢の内容が相当しても、それは偶然でしかありません。

しかし、前述したように夢の内容は個人差が大きく、被験者観測が重要なポイントとなります。

つまり自分自身が夢のことをもっとも理解していることになりますね。

自分自身に関して、あるいは自分が常日頃、見ている光景や相対している人物に関してのみ、予知夢が成立することがあります。

五感から収集される情報量は膨大です。 続きを読む これらの予知夢は存在する