とにかく狼藉三昧の建速須佐之男命をこれ以上、高天原に置いておくわけにはいきません。
高天原の八百万の神々は建速須佐之男命の爪と髪を切り落とし、葦原中国へ追放します。
そこで出会うのが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)へ生贄にされてしまう足名椎命(アシナヅチ)と手名椎命(テナヅチ)の娘、奇稲田姫(クシナダヒメ)。
「どうだい、どうせ八岐大蛇に食われちまうんだから、その美少女を俺の嫁にくれんか?そうすれば八岐大蛇を退治してやるぜ?」 続きを読む 建速須佐之男命のミッドナイト・ラン!日本神話初級講座
とにかく狼藉三昧の建速須佐之男命をこれ以上、高天原に置いておくわけにはいきません。
高天原の八百万の神々は建速須佐之男命の爪と髪を切り落とし、葦原中国へ追放します。
そこで出会うのが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)へ生贄にされてしまう足名椎命(アシナヅチ)と手名椎命(テナヅチ)の娘、奇稲田姫(クシナダヒメ)。
「どうだい、どうせ八岐大蛇に食われちまうんだから、その美少女を俺の嫁にくれんか?そうすれば八岐大蛇を退治してやるぜ?」 続きを読む 建速須佐之男命のミッドナイト・ラン!日本神話初級講座
建速須佐之男命と八岐大蛇、壮絶な戦いを想像して期待していた人、ごめんなさい。
古事記や日本書紀には建速須佐之男命が全霊をかけて奇稲田姫を守りつつ戦いの果て、ついに八岐大蛇を撃退した、などという記述はありません。
さて、八岐大蛇を切り刻み、最後に尾を切ろうとすると、そこから剣が出てきます。
これが現在、三種の神器のひとつとなっている草薙剣。 続きを読む 大人になった建速須佐之男命!日本神話初級講座
大国主大神、日本書紀では建速須佐之男命の6世の孫(7世という説もあり)としていきなり登場しますが、古事記では建速須佐之男命の娘である須世理姫の婿として登場します。
で、どっちが面白いのかというと、古事記の方が面白いので、こっちを紹介しましょう。
大国主大神、最初は大穴牟遅神(オオムナヂ)というその他大勢、八十神の1柱でした。 続きを読む 大国主大神の登場!日本神話初級講座
八神売姫とめでたく結婚した大穴牟遅神ですが、これでは収まらないのが兄弟の八十神連中。
なんと大穴牟遅神を殺してしまうんですね。
悲しむ母親の刺国若比売(サシクニワカヒメ)は高天原の神様に頼んで一度は大穴牟遅神を蘇らせますが、再度、八十神は殺害を企てます。
嫉妬は西洋で七つの大罪の一つに数えられますが、それに勝るのが母親の愛。 続きを読む 八十神に2度も殺された大国主大神!日本神話初級講座
娘、須世理姫がいきなり、どこの馬の骨とも知らぬ神様を連れてきたものだから、父親の建速須佐之男命はかつての荒ぶる神様の本領を発揮します。
まず連れてきた大穴牟遅神に対し、「こいつ、ただのブ男じゃん。名前なんて葦原醜男命(アシハラシコヲ)で十分さ。はっはっは。まあ、せっかく来たんだから寝床でも用意してやれ。そうだな、蛇の室屋はどうだ?」などと告げます。
いやあ、陰険ですね。
ちなみに次の夜はムカデの室屋に寝るよう、命じます。 続きを読む 建速須佐之男命が与えた試練!日本神話初級講座
自分が仕掛けた幾度の窮地を(たとえ彼女や野鼠の助けがあったとしても)切り抜けてきた葦原醜男命、建速須佐之男命としても認めざるを得ません。
悪巧みも大人しくなってきます。
次に建速須佐之男命が葦原醜男命に命令したのは髪の虱(シラミ)を取ること。
でも髪にいたのは虱ではなくムカデでした。やんちゃなオヤジですね。 続きを読む 逃げる大国主大神、追う建速須佐之男命!日本神話初級講座
建速須佐之男命の娘、須世理姫だけでなく、建速須佐之男命の剣や弓までを奪って逃げる葦原醜男命、それを凄まじい形相で追いかける建速須佐之男命。
ついに建速須佐之男命は葦原醜男命を葦原中国と高天原との境である黄泉平坂で追い詰めます。
これまでの虐めを考えれば葦原醜男命、四肢を引きちぎられても不思議ではありません。
ところが建速須佐之男命、こう告げます。 続きを読む 最後の建速須佐之男命の言葉とは!日本神話初級講座
須世理姫の父親、建速須佐之男命の言いつけ通り、出雲に戻って2度も自分を殺した八十神を追い払った後、かつての大穴牟遅神であり、葦原醜男命であった大国主大神の名に相応しい神様となりました。
そこで喜んだのが最初に結婚した八神売姫。
なにしろ死んだと思っていた夫が生きていた上に立派になって帰ってきたのですから。
しかも八神売姫、大穴牟遅神の子供を産んでいたのです。 続きを読む ちょっとかわいそうな八神売姫!日本神話初級講座
大国主、いろいろな女神様と交わって子孫の神様を残すと、これらの神様は葦原中国を収める国津神となります。
高天原にいる天津神の対語ですね。
ここから先も日本神話は続きますが、かなり政治的色合いが強くなってくるので簡単に、大雑把に説明しましょう。
高天原にいる八百万の神様たち、葦原中国を収めるのは高天原の女神、天照大御神の子孫こそ相応しいと国津神をまとめる大国主大神に迫ります。 続きを読む 国譲りと天孫降臨!日本神話初級講座
天津神が収めることとなった葦原中国、最初に降り立ったのは天照大御神の孫となるニニギでした。
そのニニギの子供、日子穂穂手見命こと山幸彦(弟の方ですね)は伊耶那美命と伊耶那岐命が産んだ神様、海神である綿津見神の娘、豊玉姫命と結婚します。
そして産まれた子供が日子波限建鵜草葺不合命(ヒコナギサタケウガヤフキアエズ)で、初代天皇となる神武天皇の父親となります。
ここでようやく、神様が天皇になりました。 続きを読む 神武天皇にはなぜ寿命があったか?日本神話初級講座
大国主大神から神武天皇誕生まではダイジェストで紹介しました。
この部分、ギリシャ神話や北欧神話のようだったら、天津神と国津神の大戦争となるところです。
なぜ、そうならず天津神と国津神の間の交渉だけで国譲りになったのか、ここではそれを追求せず、それこそ平和的国民性、ということにしておきましょう。
その後、神武天皇は東征を行い、ヤマト王権を倒して大和朝廷を築き、ここより神代ではなく人代としての歴史が始まります。 続きを読む 平和的な日本神話!日本神話初級講座
これまでの日本神話、もちろん大雑把な縦筋の紹介でしかありません。
大国主大神の国作りなどにも面白いエピソードはふんだんに盛り込まれていますし、八百万の神々それぞれに逸話があります。
本文のなかで話を最大に盛り上げてくれた建速須佐之男命ですが、本居宣長を始めとする研究者が多く表れ、最初は邪神であったが高天原追放の際、髭と爪を削ぎ落したことは禊にも通じ、その後の善行から守り神と崇め奉る神社が多く存在します。
その代表が京都の八坂神社。 続きを読む 八坂神社に祀られた建速須佐之男命!日本神話初級講座