「ストレス解消法」カテゴリーアーカイブ

ストレスが引き起こす行動症状

ストレスから「うつ病」になるケースはさまざまあり、また他にも適応障害、自律神経失調症、摂食障害などの精神疾患がありますが、今回はリラックス方法の紹介なので精神疾患はこのくらいにしておきましょうね。

続いてストレスが引き起こす行動症状。

軽度なところでは過度の喫煙や飲酒、繰り返される衝動的な買い物、衝動的かつ過剰な間食があり、これが進んでいくと周囲の人間に怒鳴り散らしたり、大声で泣きわめいたり、やたらと八つ当たりするようになります。

さらに行動症状が進行すると出社拒否症やひきこもり、不投稿といった日常的な生活に機能障害をもたらすだけでなく、衝動的な暴力行為、危険な行為や行動を繰り返し、リストカットなどの自傷行為まで発展してしまいます。

精神疾患にしても行動症状にしても、初期段階ではストレスが原因であるとは本人がなかなか認めたくないもの。 続きを読む ストレスが引き起こす行動症状

恒常性とは人間が健康を保つための機能

人間に限らず、生物には恒常性があります。

英語ではホメオスタシス、ギリシャ語ではホモイオスタシスですね。

これは生体の状態を生体内部、あるいは外部の環境に関わらず、常に一定の状態、人間でいえば健康であろうとする生体の機能のことです。

ウイルスが体内に入り込んだ時、熱を出して体内ウイルスを死滅させ、身体を元の状態に戻そうとする、あるいは冒頭でご紹介したように、体内に水分が不足してきたら水が飲みたい、という欲求を発生させる指令、これらは生体の恒常性に因るものです。

つまりストレスも緊張も、この恒常性が起こすものであり、けっして病気や性格のものではなく、生体の状態を一定に保とうとするための生体機能なのです。

この恒常性を機能させているのが自律神経系。 続きを読む 恒常性とは人間が健康を保つための機能

ストレスに対応する交感神経

自律神経は不随意な神経です。

つまり生物の意思によって運動しているものではなく、独立して、つまり自律して動くからこの名称がつけられているわけですね。

胃の動きを止めようとしても止められるものではありません。

これは胃の動きが自律神経によって活動しているからです。

自律神経はおおまかに2つの神経に分かれており、交感神経は激しい身体的活動や侵害刺激、恐怖などのストレスの多い状況に対応しています。

たとえば運動量を激しくするためには骨格筋に多くの血液を送り込まなければなりませんが、この時は交感神経が働き、欠陥を収縮させて心拍数を増加させ、血圧を高めます。 続きを読む ストレスに対応する交感神経

交感神経の代償を補う副交感神経

2つに分けられる自律神経のもう一方、副交感神経の働きについて簡単に紹介しましょう。

交感神経によって収縮された血管をそのままにしておけば血行障害が起きます。

また胃腸の機能を低下させていたままだと消化不良が起き、さらに栄養摂取や排泄行為にも影響が及びます。

交感神経だけを活発させておくと恒常性、ホメオスタシスが働かないので、副交感神経が身体の状態を健康に戻すため、生命維持ができるようにするために各体内器官に働きかけます。

瞳孔は収縮に、心臓の血圧や心拍数を低下させ、血管を一時的に拡大、放出したグリコーゲンを合成し、胃液分泌を促進、小腸の運動も活発化させ、膀胱の三角弛緩、括約筋を弛緩させます。 続きを読む 交感神経の代償を補う副交感神経

飲酒はストレス解消になるか?

リラックスするための方法、もうお分かりですね。

つまり活発になっている交感神経を休ませ、代わりに副交感神経を活動させて生体の恒常性を保てばいいのです。

強いストレスは原因を取り除くことが第一ですが、現代社会、必ずしも強いストレスすべてを排除できるわけではありません。

だからこそ、強いストレスで活発化した交感神経に対して、副交感神経を活動させるために十分な時間を与えてやる必要があります。

たとえば仕事で疲れて、その疲れを癒やそうとして飲酒をする習慣の人がいますが、ストレスを強く受けていると肝臓は交感神経によってグリコーゲンを分解する作業を行っています。 続きを読む 飲酒はストレス解消になるか?

気分転換は必ずしもリラックスにはならない

寝る前に気持ちを落ち着かせることは確かに重要なことです。

でも、気分転換だからといって深夜までゲームをする、貯め撮りしておいたドラマを見る、というのは逆効果。

とくにシューティング系など過激なゲームは交感神経によって行われるものです。

何しろ、擬似的な生命危機と闘争本能を体験するわけですから筋肉を使わなくとも心拍数と血圧は上がり、血管は収縮して立毛筋が収縮します。

映画やドラマは見る時間と内容によります。

ホラーやサスペンスはゲーム同様、交感神経が働いてしまうので気分転換にはなっても恒常性には適していません。 続きを読む 気分転換は必ずしもリラックスにはならない

大食はリラックスにつながらず太るだけ

ストレスへの対処法として食事を取る楽しみを持つ人もいるでしょう。

おいしいものをお腹いっぱい食べれば満腹中枢が刺激されて幸福な気分になるのは生体が持つ恒常性のひとつですから、リラックス方法としても有効性を持っています。

ただし、就寝前や深夜の大食は副交感神経の働きが追いつかない場合があります。

個体差はありますが、胃は飲み込んだ食物を数時間、胃に貯留しておき、その後、塩酸で食べたものを酸性化して殺菌、消化酵素のペプシノゲンによって水溶性に分解されます。

塩酸とペプシノゲンを称して胃液と呼んでいますが、胃液を分泌させるのは副交感神経の働き、また小腸を活発化させるのも副交感神経です。 続きを読む 大食はリラックスにつながらず太るだけ

香辛料スナック系は交感神経を活発化させる

就寝前のポテトチップスを始めとするスナック系がリラックス効果をもたらせている人もいるでしょう。

映画を見ながらソファでポテトチップス、いわゆるカウチポテトは誰がなんといおうと至福の時、と感じさせる肥満気味の人をよく見かけます。

これは完全に副交感神経へ悪影響を与えています。

スナック系は味覚を刺激するために、塩分を始め、トウガラシやコショウが多く使われていいます。

またダイエットのために、一時、トウガラシを多量に取るなんて方法もありました。

トウガラシに含まれているカプサイシンがダイエットに最適であるというのはすでに知られるところですが、このカプサイシン、アルカロイド系化合物のひとつで、簡単に言うと脳神経に刺激を与え、実際には体温が上がっていないのに灼熱感を与えます。 続きを読む 香辛料スナック系は交感神経を活発化させる

依存度の高い快楽は習慣性になる

リラックスするためには副交感神経を作動させること、そのためには睡眠時間が重要ですが、それを妨げている行為について説明しました。

ここで気がつくのが、じつは妨げる行為のほとんどが習慣性を持っていることです。

飲酒の酩酊にしても映画やドラマの高揚にしても、あるいはゲームの興奮にしても、一時的な快楽をもたらせてくれます。

この快楽は交感神経が活動しているから得られるもので(酩酊に関しては中枢神経の麻痺という側面があります)、人間に取っては不要なものではありませんが、その代償として副交感神経の活動が必要になります。

しかし、快楽は習慣性が強く、快楽が習慣化させるとさらに強い快楽を求めるようになり、その快楽がないと精神的な欠乏状態となってしまい、今度はそれがストレスとなるのもよく見かけるケースです。 続きを読む 依存度の高い快楽は習慣性になる

お風呂は何よりのリラックス法

副交感神経を活動させる最適な方法は睡眠をよく取ること。

睡眠をしっかり取っておけば、また交感神経も活発に活動できるので頭の回転も働き、意欲的に行動できるのでストレスにも対処できますね。

しかし現代社会、なかなか睡眠がしっかり取れないから、その分、リラックスする方法が次々と考えだされています。

ネットのなかにはリラックス方法の情報が溢れ返っているので、ここでそれらを紹介するよりも自分に取って効果的な方法を見つけるのがベスト。

ここでは溢れ返っているリラックス方法を交感神経と副交感神経の観点から検証し、状況別で有効的なリラックス方法をご紹介しましょう。

リラックス方法でよく取り上げられるのがお風呂。 続きを読む お風呂は何よりのリラックス法

お風呂は体温より少し高めの温度でゆっくりと

お風呂はリラックス効果を高める有効な手段として知られていますが、やはり正しい方法の根拠を理解していないと、心身のリラックスにつながらないだけでなく逆に疲れてしまうことがあります。

熱いお湯に浸かった時の交感神経の活発化もそのひとつですね。

だから逆に、朝、目覚めの悪い時、身体を強制的に活発化させるためには熱い湯に入ることが効果的となります。

さて、交感神経の活動から副交感神経へと活動を切り替えるための最適なお風呂の温度は人間の体温より少し高い38~40度と言われており、この湯に20~30分浸かることで血管の拡張が行われ、血行が良くなっていきます。

でも20~30分という長さ、気の短い人にはかなり苦痛となる時間ですね。

そこでリラックス・バスタイムに使いたいのがBGM。 続きを読む お風呂は体温より少し高めの温度でゆっくりと

心拍数とシンクロさせるリラックス音楽

お風呂場に限らず、音楽は副交感神経を作動させる有効なリラックス方法のひとつです。

ゆったりとした曲を聞いているといつの間にか眠ってしまうことがありますね。

これ、曲がつまらないというわけではなく、ゆったりとしたテンポに心拍数がシンクロし、心拍数が下がる、つまり活動状態から睡眠状態の心拍数へ変わることから眠くなるのです。

ゆったりとしたテンポの曲を聞くと交感神経による心拍数が副交感神経の心拍数になるということですね。

人間の心拍数は幼児で80前後、成人で60~70、高齢者で50~60といわれています。 続きを読む 心拍数とシンクロさせるリラックス音楽