「共感覚」という現象があります。これは、ある音を聞くと、それが刺激になってある形が見えたり、あるいは、あるモノを見るとある匂いを感じたりする、一種の感覚的異常のことを指した言葉でもありますが、もしかすると、古代の人々はそうした「共感覚」機能を現代人よりも洗練した形で備えていたのかもしれません。共感覚の症例によると、あるモノには常に同じ形や音や匂いが結びついているということです。
現代からすると、単なる異常にしか過ぎない、この感覚を古代の人々が「世界をより深く探るための一つの能力」としていたなら、きっと当時の言語の音や文字にも「共感覚」によって得られた情報が含まれていたはずです。 続きを読む 音と形のシンボル化が文字をつくる!言葉の摩訶不思議学