「言葉の力と名言集」カテゴリーアーカイブ

言語は、血をかよわせた生き物のよう!言葉の摩訶不思議学

ある一つの言語も、まずは大昔の祖先により、そのきっかけ(土台)を作られ、その後は数多くの子孫(私たちから見れば、数多くの祖先)により連綿と受け継がれてきつつ、進化発展を遂げた、「モノとオト、それに意味を関連付けた、思想の集大成」とも言えるのです。

ある単語はより発展し、強化され、その分布範囲も広がっていったでしょうし、反対にある単語はその勢力が弱まり、しだいに消滅していったり、あるいは別の単語の中に吸収されていったり、などということもあったでしょう。だから、「言語の発展」(文字の発展)にも、「生物の進化」と似たような道を歩むところがあるのです。 続きを読む 言語は、血をかよわせた生き物のよう!言葉の摩訶不思議学

移動や変化を意味する『R』の音!言葉の摩訶不思議学

いろいろな言語音の話しをしてきましたが、数ある言語の音の中でも、「ルルルッ」という「R」の音は、言語の歴史において特に重要視されていたようです。

古い言語(ラテン語や古典ギリシャ語など)では、この「R」音は、今よりも強調して発音されていたことが窺われますし、殊に祈りや呪いの言葉(呪文の言葉)の中では、そうした呪文の効果をほどよく発揮するための「振動音」として扱われていたことが推察されます。 続きを読む 移動や変化を意味する『R』の音!言葉の摩訶不思議学

字は体を現わす!言葉の摩訶不思議学

前に(「音声言語の神秘」編のところで)、漢字の「牛」は「牡牛の顔」を模した象形文字からできていると述べました。漢字の「羊」も、やはり「牡羊の顔」を現わしたものです。

それにしても、本当に牛や羊の顔に見えてくるから不思議です。実によくできています。その「羊」があまりにも美しかったから、「美」という漢字もできたのだそうです。

「漢字」は、文字どおりモノゴトの「感じ」をうまく表している、まさに「感字」です。「牡牛の顔」から作られたアルファベットの「A」(表音文字)も、そういう意味では、もともとは「象形文字」あるいは「表意文字」であったとも言えるでしょう。 続きを読む 字は体を現わす!言葉の摩訶不思議学

ハングルは偉大な文字!言葉の摩訶不思議学

漢字や象形文字は、モノの感じをうまくつかんでいる字という意味で、まさに「感字」といった感じです。漢字の成立ちもまた、東洋の神秘の一つでしょう。そして、もう一つの「感字」が東洋にはあります。ハングルです。

現在、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で使われている、このハングルは、15世紀の中頃に、当時の李朝第4代の王である世宗の命令によって、学者たちに作らせた新しい合理的な文字です。

そして1446年に公布されたハングルは当初、「民に訓(おし)える正しい音」という意味で「訓民正音」とも呼ばれました。「グル」というのは「文字」のことです。 続きを読む ハングルは偉大な文字!言葉の摩訶不思議学

漢字以前の神字(かんじ)とは?言葉の摩訶不思議学

ハングルは、字の如く「ハングル」→「唯一の文字」ということで、朝鮮半島に固有のユニークな文字体系というように、前に説明いたしました。ところが、もしも唯一ではなかったとしたら? そのことについて話しましょう。

「ミウチニシオイチネムタテマツル」(身内に塩一年奉る?)

九州は宮崎の、ある神社の境内の置石には、そのように読める不思議な文字が刻まれていました。1985年8月22日、その日、私が境内で紙に書き写していた文字は、神代文字の一種だとされる「アヒル文字」(阿比留文字)だったのです。 続きを読む 漢字以前の神字(かんじ)とは?言葉の摩訶不思議学

五十音の故郷!言葉の摩訶不思議学

以前、ある人(日本人)から聞いた話なのですが、インドのある地方の小学校で、そこの先生(インド人)が生徒に母国語の文字を教え始めるさい、その先生は「ア・イ・ウ・エ・オ…」とか「ア・カ・サ・タ・ナ…」と、まるで日本の国語の時間を思わせるような、五十音の発声練習を始めたのを見たというのです。

それで、インドのその地方の「ある言語」と「日本語」との間では、お互いに音の構造がとても似ていて、そのことに大変驚いた、ということでした。五十音図の歴史は意外と古く、その作成は平安時代にまで遡ります。ちなみに、多くの人は、「アカサタナ」よりも、「イロハニホヘト」(いろは歌)のほうが古いと思っているようです。 続きを読む 五十音の故郷!言葉の摩訶不思議学