「大人が読む寓話の教訓」カテゴリーアーカイブ

今こそ「DHMO」の危機から逃れるように署名しよう!大人が読む寓話の教訓

人類の科学が進歩して地球規模が狭くなると、なぜか次々と予想もしなかった事態が引き起こされます。

それまでアフリカに生息するコウモリを宿主としていたエボラウイルスがヒトへ感染するようになり、熱帯・亜熱帯地方でしか見られなかったデングウイルスを媒介する蚊が代々木公園で見られるようになり、α-ラトロトキシンの神経毒を持つセアカゴケグモはすでに関東以南で定着を始めています。

最近ではアメリカのネイサン・ゾナー君という14歳の少年が「DHMO」という化学合成物質の害を指摘、その使用規制を求めていることが話題になりました。 続きを読む 今こそ「DHMO」の危機から逃れるように署名しよう!大人が読む寓話の教訓

情報操作という危うさ!大人が読む寓話の教訓

「DHMO」の危険性、十分に理解できたでしょうか?

では、署名準備へ入る前にDHMOの正式名称を解説しましょう。

Dihydrogen Monoxide、一酸化二水素です。

化学式で表せばH2O、つまりただの水ですね。

これでもまだ、貴方はDHMOを危険とみなして署名運動を行いますか? 続きを読む 情報操作という危うさ!大人が読む寓話の教訓

子供のためではなく大人のための寓話!大人が読む寓話の教訓

映画「大脱走」の脚本を書いたジェームズ・クラベルは1981年に短編小説を出版、その中のひとつが当時、不定期に放送されていたモービルショーケースというアメリカのTV番組で制作されました。

タイトルは「The Children’s Story」で、副題に「but not just for children」となっています。

ストーリーを説明しましょう。

いつもなら大雑把に要点だけを上げるのですが、ショートストーリーのため綿密なのでちょっと長めの説明となります。 続きを読む 子供のためではなく大人のための寓話!大人が読む寓話の教訓

それが洗脳の始まり!大人が読む寓話の教訓

「The Children’s Story」の続きです。

若くて美しい女教師に抵抗するかのように、突っ張るジョニー君。

「こっきにちゅうせいをちかって、それからうたを歌うんだ!」

女教師はおおきく頷きながらもジョニー君のそばに寄り、そして、まるで耳元で囁くように言います。

「そう、それはとても大切なこと、でもちゅうせいって何?こっきにちかうって何?」 続きを読む それが洗脳の始まり!大人が読む寓話の教訓

反攻者の陥落する瞬間!大人が読む寓話の教訓

「The Children’s Story」の続きです。

大好きな父親が当局に連れ去られていったことを間近に見ていたジョニー君はその不満を新任の美しい女教師に訴えます。

女教師、まったく慌てることなくジョニー君に近づくと、また囁くように告げます。

「そう、お父さんは悪いことなんかまったくしていないけれど、間違った考え方をしていたのよ、だから間違いを正すために大人の学校へ行きなおしているのよ?あなた達の担任だった先生も、その学校へ行きなおしているの。ジョニー君だって学校に行くのが嫌な時、あるでしょ?」 続きを読む 反攻者の陥落する瞬間!大人が読む寓話の教訓

民衆掌握までの23分間!大人が読む寓話の教訓

「The Children’s Story」、今回が最後です。

新しい指導者から貰ったお菓子、それは生徒に取ってとろけるような甘さでした。

美しい女教師の説得ある言葉に反抗的だったジョニー君も素直になり始めています。

ジョニー君の隣にいたマーチン君が話しかけます。

「なあ、今度の先生、きれいだし優しいし、前の先生よりいいじゃん」 続きを読む 民衆掌握までの23分間!大人が読む寓話の教訓

道徳的ではない寓話のディストピア!大人が読む寓話の教訓

ジェームズ・クラベルの短編小説、「The Children’s Story」は日本でも「23分間の奇跡」というタイトルで1991年のフジテレビ「世にも奇妙な物語 冬の特別編」の中の1本として放映されました。

賀来千香子さんが女教師役ですね。

日本でクーデターが起きて憲法が改正されたという設定、国旗を切り裂く代わりに「平等・自由・平和」と書かれた額縁を屋外に捨てる、あるいはラストでジョニー君に相当する生徒が先生から煽てられ、他の生徒からも持ち上げられて学級委員長になるなど、若干の違いはありますが、根底の部分は同じです。 続きを読む 道徳的ではない寓話のディストピア!大人が読む寓話の教訓

アリとキリギリスに見るお手本的寓話!大人が読む寓話の教訓

寓話、とは結末に教訓的な暗喩を残している単純な物語の総称です。

暗喩の部分が寓意ですね。

難しく捉えるよりも代表的な例を上げた方がわかりやすいでしょう。

まずは誰でも知っている「イソップ物語」の「アリとキリギリス」。

夏の間、キリギリスはバイオリンを弾いて歌って過ごしますが、アリは食料がなくなる冬に備えてせっせと働き、食料を溜め込みます。 続きを読む アリとキリギリスに見るお手本的寓話!大人が読む寓話の教訓

教訓を鵜呑みにして細部を見逃さない!大人が読む寓話の教訓

イソップ物語のアリとキリギリス、さてどのような寓意を感じたでしょうか?

なんだか小学校の授業みたいですね。

こういう時って必ず優等生的な発言をする小煩い学級委員長みたいのがいて、「キリギリスのように遊んでばかりいると、いつか報いが訪れて困ることになる」みたいなお手本の答えを言うのが定番ですが、この際、子供の頃に見た、聞いたアリとキリギリスから感じた寓意を正直に言っちゃいましょう。

せっかく太陽がキラキラと輝いて遊べる季節なのに、冬の心配をして遊ばない吝嗇家はたとえ理由はどうであれ飢餓寸前の困窮者が目の前にいても施しはけっして与えないものである、というのが寓意。 続きを読む 教訓を鵜呑みにして細部を見逃さない!大人が読む寓話の教訓

ウサギとカメの教訓!大人が読む寓話の教訓

もうひとつ、イソップ物語から誰もが知っている寓話、「ウサギとカメ」を例に上げましょう。

いつもウサギに足が遅いとバカにされていたカメはとうとう怒り心頭に達し、ウサギに山の麓まで競争を挑みます。

当然、その勝負を受けるウサギ、いざ競争が始まればカメを残して山の麓まで一気に到達、カメが見えないのをいいことにゴール前、余裕綽々で待っていればやがて睡魔に襲われ、眠ってしまいます。

しばらくして目を覚ましたウサギがそこに見た光景は、自分が寝ている間に遅い足でウサギを追い越し、そしてゴールして喜んでいるカメの姿でした、というお話。 続きを読む ウサギとカメの教訓!大人が読む寓話の教訓

カメはいかにして高慢ちきなウサギに勝つことができたか?!大人が読む寓話の教訓

イソップ物語の「ウサギとカメ」の寓話、多くの改変があります。

有名なのは「リーマスじいやの話」という童話集に出てくる「ウサギどんにあいてがあらわれた話」ですね。

ウサギとカメが競争するという点、ウサギが高慢ちきで生意気で自信満々な点は同じですが、競技性が高まっており、きちんとハゲタカが審判員になっています。

またカメは足の速いウサギに対してハンディキャップを申請、ウサギの走る道ではなく茂みの中を進むことを主張します。 続きを読む カメはいかにして高慢ちきなウサギに勝つことができたか?!大人が読む寓話の教訓

絶対にカメを追い越せないウサギ!大人が読む寓話の教訓

イソップ物語でもリーマスじいやの話でもカメに負けてしまうウサギですが、数学的にもカメに負けてしまうことを立証したのが古代ギリシャ人のゼノンです。

ゼノンの数学的立証は、ウサギが時速100km、カメが時速50kmという前提で計算が行われます。

この数値であればウサギは確実にカメに勝てるので、ウサギはゴール前で寝るのではなく、スタートの段階で寝てしまいます。

その寝ている段階でカメはすでにウサギを1km引き離してしまいました。 続きを読む 絶対にカメを追い越せないウサギ!大人が読む寓話の教訓