「運とツキの話」カテゴリーアーカイブ

スキルを上げることが『ツキ』の確率を高める

『ツキ』と上手く付き合う方法、すでにお分かりですね。

スポーツの世界に限らず、何事においても最後の瞬間に『ツキ』が物事を決定することがあります。

けれど、その最後の『ツキ』を実感できるのは、物事のスキルを高め、平均値を上げた人に限られます。

もちろん、スキルを高めて平均値を上げたところで、必ず『ツキ』がやってくるわけではありません。

しかし、期末テストの勉強範囲を広げて平均値を上げておけばテストの問題に勉強した範囲内から出る確率は高くなります。 続きを読む スキルを上げることが『ツキ』の確率を高める

ゴルフに見る『不運』

スポーツは『ツキ』で左右されることが少ない、と言われますが、ゴルフは比較的『ツキ』の要素が多く含まれるスポーツといえます。

『ツキ』というより『運』と言った方がいいでしょう。

自然の中で(もちろんゴルフ場は作られた競技施設ではありますが)行うだけに、雨や風などが競技に大きく影響し、しかも競技者全員のイコールコンデションとはなりません。

グリーン目指してフェアウェイから最高の1打を放っても、そのプレイヤーの時だけ上空で強い向かい風が吹き、グリーン手前の池に落ちる、というケースも珍しくありません。 続きを読む ゴルフに見る『不運』

凡庸と優秀の違い

前項ではゴルフの『運』『不運』が人生に似ていることを紹介しました。

もう少し前項の例、会心の1打でありながら突然に向かい風が吹いたことによって、グリーン手前の池に落ち、自分の『不運』を嘆く凡庸なプレイヤーの話を掘り下げましょう。

量子力学の不確定性から風が吹くことは誰にも予想できないのだから、会心の1打を打てる以上、凡庸とは言えないのではないか、と思われる人もいるでしょう。

確かに不確定性からは風の発生は確率論でしか確認できません。

しかし、状況に注意すれば突風が発生する確率を読むことができます。 続きを読む 凡庸と優秀の違い

『ツキ』と『不運』は同質の偏り

これまで『ツキ』と上手に付き合う方法を紹介してきましたが、人生、『ツキ』の作用が逆に働く、つまり『不運』も『ツキ』と同じくらいに遭遇するので、最後は『不運』と上手く付き合う方法を紹介しましょう。

『ツキ』は不確定性における偏りでしかありません。

それがたまたま本人に取って良い方向に働いているので『ツキ』と呼びますが、偏りの事象に良い悪いもないので、本人に取って悪い方向に働くことがあるのは当然のことです。

したがって『不運』を嘆くことは『ツキ』に対しても拒絶していることになる、と覚えておきましょう。 続きを読む 『ツキ』と『不運』は同質の偏り

アンダードッグ効果がもたらす『ツキ』

前項に続き、『不運』の時に使えるアンダードッグ効果の続きです。

たとえば会社が倒産しそう、という『不運』に遭遇したとします。

もちろん倒産は不確定性による偏りではなく因果律に因るものですが、その中の1社員としては会社の倒産に対して自分ではどうしようもない部分があるため、『不運』と定義することができます。

多くの社員は倒産する前に早期退職して転職の準備を行います。

まるで沈みゆく船から逃げようとするネズミと同じですね。 続きを読む アンダードッグ効果がもたらす『ツキ』

平均回帰と確率の収束

平均回帰、または確率の収束。

厳密に言うと両方ともかなり複雑なので、『ツキ』や『運』に限って言うことはできませんが、少なくとも人生においては意味を広く浅く捉えれば活用することもできます。

平均回帰においては、

◯平均値から大きく離れた偏差の事象(高いギャンブル性)ほど平均値に戻りやすい

◯平均値に近い偏差の事象(スキルの介在)は連続性が認められるものの、事象によって上がった平均値を継続するためにはスキルを上げる必要がある 続きを読む 平均回帰と確率の収束

迷信は今も世の中を我が物顔で闊歩する

迷信・・一般的に信じられている、あるいは言葉として残っていて認知度が高いけれど合理的な根拠の薄い事象のことですね。

英語圏やフランス語圏ではsuperstition、イタリア語圏ではsupaerstizione、ドイツ語ではAberglaude、ロシア語ではсуеверный、もちろんアラビア語にもポルトガル語にもギリシャ語にもあります。

つまり迷信は人類共通の事象。

ただし迷信は最初から迷信だったわけではなく、むしろ人々の生活に欠かせない知恵であったと同時に社会の混乱を招く風潮でもありました。 続きを読む 迷信は今も世の中を我が物顔で闊歩する

猫と天気予報の迷信

Q:猫が顔を洗う時、耳の後ろに前足を回したら雨が降る、これ迷信?

愛らしい仕草とマイペースな行動で最近は人気沸騰中の猫たち。

猫には迷信がいくつもありますが、これは日本だけでなく世界中の迷信となっています。

この事象、単純に猫が顔を洗った時に雨が降る確率の統計が取れていないだけで、現段階では猫を飼っている人が個人的に限定された猫から統計を取ることしか、解明できません。

巷で信じられているのが、低気圧になると湿気の影響で毛が重たくなるのでグルーミングする、という説。 続きを読む 猫と天気予報の迷信

世界各地で異なる黒猫の迷信

Q:黒猫が前をよぎったら不吉、これ迷信?

猫からもうひとつ、迷信の話題です。

もちろん黒猫がよぎったぐらいで不吉になることはなく、迷信ですね。

ただし、これはヨーロッパ中世の迷信であり、本来、日本では闇夜でも目がよく見えることから魔除けや商売繁盛の福を招く猫として重宝されてきました。

招き猫も三毛だけでなく黒猫がいるのはそのためです。

江戸時代には黒猫を飼うと結核が治るという迷信もあったほど福を招く存在でしたが、その黒猫が懐かず前を素通りするとは「よっぽど運が悪い」と言われ始めたことが、上記のような迷信につながったと思われます。 続きを読む 世界各地で異なる黒猫の迷信

社会的情勢の不安が生み出す迷信

ドイツでは「クリスマスに黒猫の夢を見たら翌年、重い病気にかかる」、イタリアでは「黒猫が病に伏せる人のベッドで横になったら絶対にその病人は死ぬ」などの不吉な迷信があります。

14世紀、中世ヨーロッパでは黒死病が流行り、全ヨーロッパの1/3から2/3がペストにかかって亡くなったと言われています。

黒死病の難を逃れた人々は社会的不安に襲われましたが、その不安解消の格好の餌食となったのが魔女狩り。

魔女という存在そのものが迷信(あくまでも呪術師としての魔女であり、現実的に「魔女」と呼ぶに相応しい女性は除くとして)なのに、それを当時は合理的な根拠がないにも関わらず信じきった人たちがいたわけですね。 続きを読む 社会的情勢の不安が生み出す迷信

絵本から始まった日本各地に残る猫の不思議な迷信

前述したドイツやイタリアの猫に関する不吉な迷信、じつは日本各地にも残っているのです。

猫が死人のそばに寄ると死人が立ち上がったり踊り出したり、という迷信は徳島や広島、津軽地方など全国的にあり、死人に猫が魂を入れるという迷信は秋田や栃木、磐城地方に多く伝わっています。

猫と死人が迷信になったのは江戸時代移行のこと。

ただし、猫が妖怪に化ける猫又伝説は平安時代からあるので、猫又伝説が迷信の元になっていることは容易に想像できます。 続きを読む 絵本から始まった日本各地に残る猫の不思議な迷信

猫だってタンパク質や脂質が必要だ!

猫の迷信、猫又のエピソードまで発展するともはや都市伝説になってしまいますが、猫又を想像させる事象は実際にあったのではないかと想像されています。

たとえば猫又の別称、化け猫といえば行灯(あんどん)の油を舐めることで有名ですね。

江戸時代、行灯の油といえばイワシを始めとする安価な魚から取れる魚油。

当時は現在のようなキャットフードなんてもちろんありませんから、猫の餌といえば人間の残り物の炭水化物ばかり。

これでは猫も脂質やタンパク質が足りず栄養失調になってしまいます。 続きを読む 猫だってタンパク質や脂質が必要だ!