「運とツキの話」カテゴリーアーカイブ

漠然と『ツキ』を求めるのではなく

さて、ここまで『ツキ』を欲しがる人の話を相対的に行なってきましたが、『ツキ』を欲しがる人には目立った特徴があります。

これまで、お金の話を主体に話してきたように、『ツキ』を欲しがる人は、漠然と『ツキ』を求めます。

金運、恋愛運、結婚運、上昇志向運、転職運・・・。

これらの項目、占いと一緒ですね。

『ツキ』は存在します。 続きを読む 漠然と『ツキ』を求めるのではなく

『ツキ』は結果論

ツキ。または運。

これを意図的に操作することはできません。

『ツキ』や『運』の定義にもよりますが、それらによって物性の変化が起きる現象については量子力学が不確実性を証明(原子の位置と運動量の両方を正確に測定することは不可能という不確定性原理)しており、『ツキ』は確率論の範疇に入ります。

だからパワーストーンを買おうが、幸運のツボを購入しようが、玄関に黄色いグッズを置こうが、購入後に『ツイ』たことがあっても、それは本人の持っていた『ツキ』の確率における巡り合わせで、それらが原因ではありません。 続きを読む 『ツキ』は結果論

ラプラスの悪魔とは?

『ツキ』や『運』と呼ばれている現象は量子力学によって不確実性が立証されている以上、その起こる可能性は確率でしか証明されず、しかも結果論なので『ツキ』や『運』は起こった後でしか判明しません。

これが現代における『ツキ』や『運』の定義となっていますが、現代科学が生まれる以前、近世科学の時代では、『ツキ』や『運』も物性の一部であり、それらは現在の状態を完全に指定すれば以後の状態はすべて一義的に決まる。

とか、現在の状況が分かれば過去の状態も分かる、といった因果律を当てはめることもありました。

カンタンに言えば「宝くじを買ったから当たった」のであり「当たったから海外旅行に行った」のであり「海外で買い物をし過ぎたから全財産を失った」となります。 続きを読む ラプラスの悪魔とは?

『ツキ』を期待せず真面目に働きましょう?

「待ちぼうけ」の本当の意味。

「待ちぼうけ」という童謡があります。

北原白秋の作詞で満州唱歌集に収められながらも戦後、廃棄されることなく教科書に載せられたことから覚えている人も多いでしょう。

とある中国の農民がある日、畑仕事をしていたら畑の隅にある切り株にうさぎが唐突にぶつかって死んでしまいました。

農民、そのうさぎを持ち帰ってごちそうにしましたが、これに味をしめ、農民は次の日から鍬を捨てて切り株にうさぎがぶつかるのをずっと待ち続けました。 続きを読む 『ツキ』を期待せず真面目に働きましょう?

平均値に回帰する法則

前項に出てきた「待ちぼうけ」の農民を見ると、宝くじに当たりながらその後、全財産を失う人たちに被って心が痛みます。

なぜ、誰もこの農民に『平均回帰』を教えなかったのでしょうか?

平均回帰、とは事例や実験の平均値より高い数値が出ることはあっても、その数値は次に測った時、平均値に近づくことを表す言葉です。

平均回帰における有名な事例は、身長の高い父親を持つ息子は比較的身長は高いものの、父親に比べると世の中全体の身長平均値に近くなります。

また中間テストで高得点を出した生徒は期末テストでも高得点を上げる確率が高いものの、中間テストより平均値に近い成績となります。 続きを読む 平均値に回帰する法則

ギャンブル性の高い『ツキ』に連続性なし

平均値からの偏差が大きいほど、すごい『ツキ』とか『強運』になるわけですね。

宝くじを買い続けている人が高額賞金に当たった時は、買い続けているという平均値から突出した偏差となります。

しかし宝くじにはほとんどスキルが介在しません。

どの宝くじ売り場が当たるから、とか、夢に番号が出てきた、などというのは当選のためのスキルではないので、平均値への回帰率が高くなる、つまり連続して高額賞金に当たる可能性は極端に低くなります。 続きを読む ギャンブル性の高い『ツキ』に連続性なし

偏差の高い『ツキ』とは真面目に付き合わない

『ツキ』は金運とか恋愛運など、漠然と求めるのではなく、明確な目的に対して求めるべき、それが『ツキ』と上手に付き合う方法と前述しました。

これは言い換えると平均値から高い偏差のある『ツキ』を求めるのではなく、平均値から偏差の少ない『ツキ』を求めよ、ということになります。

高い偏差のある『ツキ』は大きな快感を与えてくれますが、真剣に付き合っちゃダメですよ、って意味ですね。

既婚男性がバーで隣にセクシーな女性が来て、その女性と仲良くなれる確率は大変低いのですが、成功すると平均値より高い偏差が生まれます。 続きを読む 偏差の高い『ツキ』とは真面目に付き合わない

スキルの介在する『ツキ』を大切にする

前述した、バーで隣にセクシーな女性が来ても男性の恋愛スキルが高い場合は、その偏差は平均値からあまり離れていないことになります。

つまり『ツキ』であると同時に『チャンス』でもあるわけですね。

スキルが介入する事象はスキルが高いほど平均値そのものが上がるので、スキルの低い人における高い偏差の『ツキ』も、スキルが高い人にとっては偏差が少なくなるので、それは本人が『ツキ』と自覚せずに単なる『チャンス』に遭遇した、という結果になります。

スキルの介在する事象でもっとも分かりやすいのがスポーツです。 続きを読む スキルの介在する『ツキ』を大切にする

3ポイントシュートの『ツキ』

2016年5月に行われた山口県高等学校総合体育大会のバスケットボール競技に起きた事象です。

決勝戦で対戦したのは徳山商工と誠英。

試合は拮抗して残り0.9秒の段階で時計が止まり、誠英のフリースローとなります。

ゼッケン13の選手はこれを冷静に決め、点差は誠英がわずかに引き離して65対63。

誠英の応援団は誰もがこれで優勝、と小躍りしている瞬間、徳山商工のゼッケン10をつけた選手はコートを見渡して一瞬のうちに判断。 続きを読む 3ポイントシュートの『ツキ』

3ポイントシュートは平均値からの偏差が少ない

前項で紹介した山口県高校総体のバスケットボール決勝、徳山商工の逆転優勝はゼッケン9の3ポイントシュートがブザービーターとなって決まりました。

この3ポイントシュート、ゼッケン9にとっては偏差が高いシュートだったことは間違いありません。

というより、なにしろ高校総体は3年間しか経験できず、決勝は当然3回、そのうち残り1秒を切っている状況というのは平均値が存在しないため、高い偏差というより唯一無二と言うべきですね。

しかし、ゼッケン9の3ポイントシュートとしては平均値があります。 続きを読む 3ポイントシュートは平均値からの偏差が少ない

『ツキ』は両校に巡っていた

スポーツでは、片方のチームに『ツキ』があったからといって、片方のチームに『ツキ』がなかった、というわけではありません。

前述の徳山商工と誠英の試合を振り返ってみましょう。

誠英は試合時間の残りわずかのところで、63対63の同点からフリースローを2本決めて徳山商工を引き離しました。

フリースローも何千回、何万回と練習しても必ず入るというわけではないので、ここでも確率が生じます。

たとえ2本の猶予があったとしても、高校総体の決勝、しかも同点という状況の平均値は個人として求めることができないため、偏差が極端に高いシュートであることは誰でも想像がつきます。 続きを読む 『ツキ』は両校に巡っていた

『ツキ』で勝負を左右されないためには

第67回山口県高校総体におけるバスケットボールの決勝戦、徳山商工と誠英の試合終盤はいろいろな点の教訓を残しています。

ゲーム面だけに関して言えば、誠英は残り1秒を切っても気を抜いていたわけではありませんが、全員がゴール下に集まってディフェンスを固め、マンツーマンを行わなかったために3ポイントシュートを許してしまいました。

また終盤まで63対63と同点であったことは実力が同等であり、結果を決めたのが『ツキ』だけで、勝負では徳山商工がウイナーとは言えません。

勝負に勝つためには、相手よりも平均値、つまり実力をつけ、突発的に起きる『ツキ』でも左右されないことが求められます。 続きを読む 『ツキ』で勝負を左右されないためには