「運とツキの話」カテゴリーアーカイブ

スパイラルで登場するニューエイジ思想

ヒッピー文化は80年代の保守的世相に入ると急激に消滅しますが、その残り火は90年代末期にスパイラル現象として新しい形に生まれ変わり、登場します。

いわゆるニューエイジですね。

世紀末思想、とでもいいましょうか。

こちらはまだ新しく記憶に残っている人も多いことでしょう、1999年に人類滅亡を唱えたノストラダムスの予言ですね。

もっともノストラダムスの背景にはキリスト教における千年戦争、つまり神と悪魔の戦いは千年続き、最後に神が勝利して新しい世界がやってくるといったニューエイジ思想が入っているのですが、キリスト教と縁の浅い日本では世紀末思想だけが蔓延しました。 続きを読む スパイラルで登場するニューエイジ思想

クリスタルパワーのミッシングリング

二酸化ケイ素の結晶である石英がラッキーアイテムであるパワーストーンに結びつくのは古代からの民族が呪術の道具として用いられたことを起源としているのはこれでお分かりだと思います。

しかし、石英のなかで無色透明な結晶体である水晶が生命力を活性化させて細胞の再生力、免疫力、体内に蓄積した毒素を排除させて自分の歩むべき道を明確化させる、という効力まで一気に飛躍してしまうのはまったくの謎に包まれています。

まさしくミッシングリング、猿から人へと進化した過程の抜けている部分と同じです。

わずかですが、そのミッシングリングを表す諸説があるので、それらのひとつをご紹介しましょう。 続きを読む クリスタルパワーのミッシングリング

ミッシングリングの謎はレムリア人が握っている

水晶とパワーストーンを結びつけるユニークな説があります。

神智学協会を設立した1人、ブラヴァツキー夫人が1888年に刊行した著書「シークレット・ドクトリン」のなかに、かつて太平洋にはレムリア大陸があり、その大陸で生活していたレムリア人は他の地域のどこよりも文明が進んでいた、という内容が書かれています。

ブラヴァツキー夫人、シークレット・ドクトリンともに神秘学者へ大きな影響を及ぼしており、その後もシークレット・ドクトリンの解説書や流れを汲む書物、研究が行われています。

またニューエイジ思想でもシークレット・ドクトリンの影響が随所に見られ、そのひとつがパワーストーンの水晶に表れています。 続きを読む ミッシングリングの謎はレムリア人が握っている

45億年の地球の歴史

かつて太平洋に存在していたレムリア大陸とレムリア人、胡散臭い話として一笑に付すのは簡単ですが、存在がないという証明ができない以上、信じるか信じないか、というニューエイジ思想の見解になってきます。

そも、現在の人類が登場してきたのは、およそ25万年前の話。

それまでに地球上の生物は何度も全滅しています。

22億年前と7億年前には地球の全球凍結(スノーボールアース)があり、その後に生物の爆発的誕生があったという説は科学的に認められつつありますし、およそ2億5千年前には地球上の大陸がすべてつながったひとつの大きな大陸、パンゲアであった説もプレートテクトニクス理論として認められています。 続きを読む 45億年の地球の歴史

開運印鑑はラッキーアイテムか?

パワーストーンのなかで万能的存在である水晶がラッキーアイテムとなった経緯は以上のようなことなので、他のパワーストーンについても根拠的なものは立証不可能なため、パワーストーンについてはここで終わりにしましょう。

次のラッキーアイテムは印鑑。

印鑑とは書類に押された印影のことで、押す側の面を印章、全体は判子と呼ぶのが正しいのですが、ここでは混在すると分からなくなるので印鑑として統一して解説しましょう。

印鑑がラッキーアイテム、開運グッズとして広まっているのは当然、日本だけです。 続きを読む 開運印鑑はラッキーアイテムか?

開運印鑑はインチキの悪徳商法?

じつは開運印鑑を巡り、印章業界(ようするに印鑑製造業ですね)は真っ二つに割れているといっても過言ではありません。

一方では、印章は芸術品、日本伝統の職人技であり開運などというものはあり得ない、開運印鑑を売るのは悪徳商法である、という主張。

一方では開運印鑑は江戸時代の書物に始まる歴史的価値のある印鑑であり、印相学に基づいた製作を行い、これを使えば運を必ずや引き寄せることができるという主張。

印章はさまざまな書体で彫られ、実印で多く使われるのが篆書体という中国の古代文字で、日本のパスポート表紙に書かれている日本国旅券の書体といえば分かりやすいでしょう。 続きを読む 開運印鑑はインチキの悪徳商法?

開運印鑑の奥深い迷宮

さて、開運印鑑を調べれば調べるほど迷宮が深くなっていくので、簡単に説明しましょう。

印相学という開運印章独特の決まりがあり、それによると円形を8分割、頂点の成功運から時計回りに愛情運、社交運、蓄財運、住居運、家族運、希望運、才能運とあり、名前の画数と印章の接点を印相画数とし、たとえ名前が凶画であったとしても接点の数で吉とし、それぞれの運の部分を太くすることで運気を招く、というもの。

もちろん、こんな数値的な簡単なものではなく、中国古来の九星、五行、方位、さらに易学、気学、さらに姓名学、運命学、印相数霊学までを取り入れ、それらをきちんと学んだ印相の鑑定士が印章を決める、とあります。

なんだか、すごいことになってきました。 続きを読む 開運印鑑の奥深い迷宮

開運印鑑の統一性

開運印鑑の書体は印相体と呼ばれ、印章は吉相印と称しています。

この印相体の特徴は篆書体が元になっていますが、前述したように丸い枠に接点を持つ書体で、開運印鑑を作る業者いわく枠の外に広がる書体だとか。

したがって丸枠の外周にある8つの分館、家族だとか名声だとか社交だとか(これも開運印鑑業者によって若干、違いが出てきます)、そういった方向に広がりを見せる、という運気を得られるといいます。

開運印鑑もここで留めておけば良かったのですが、長年、印鑑に使われていた伝統の書体である篆書体を、丸い枠に収めた文字は四方に伸びがなく行き止まり感が強い、運気に勢いがない、と決めつけるのですから、それまで篆書体の伝統を守ってきた印鑑業者が怒るのも無理はありません。 続きを読む 開運印鑑の統一性

開運印鑑はアレもダメこれもダメ

印相学を元にした印鑑、かなり「してはいけない」ルールがあります。

その一例を紹介しましょう。

◆印鑑の印章は真円でなければいけません、印鑑は小さな宇宙であり、あなたという全存在がこの印鑑という小さな宇宙のなかに全て込められているといってもいいでしょう(宇宙が真円である、といつ判明したのでしょうか?)。

◆四角印は発展性がないので努力しても報われず運勢にムラがあり、角が立っているので周囲の人とぶつかりやすい傾向があります(角を取って丸くなれば面積は小さくなりますが、人間性は小さくならないのでしょうか?) 続きを読む 開運印鑑はアレもダメこれもダメ

開運印鑑は占いの一種

開運印鑑、歴史的に見ても近年になって突然、現れた商法です。

印相、とは本来、ヒンドゥー教や仏教の用語で、両手の形によっていろいろな意味を表現する言葉。

仏像が片手を上げて手の平を見せ、もう一方の手を膝の上に乗せて手の平を見せる、あのポーズのことです。

したがって本来の印相と開運印鑑が用いる印相学はまったくの無関係で、開運印鑑の印相は手相、顔相といった占いの用語から発生した同じ類の言葉です。

つまり開運印鑑とは占いの一種ですね。

パワーストーンがそうであるように、根底にあるのは明らかにニューエイジ思想への需要。 続きを読む 開運印鑑は占いの一種

フォントがあれば機械彫りも簡単

そうそう、篆書体にフォントができたことの弊害について書き残していました。

現在、印章の主流はコンピューター彫刻機械によるものなので、フォントさえあれば印相体という篆書体に似て非なる書体も簡単に製造できてしまいます。

手掘り、と称しているところでも仕上げだけを手で行い、粗方をコンピューター彫刻機械で行っているところが多いとか。

本当の手掘りを購入するなら、インターネットで申し込みするのではなく必ず店頭まで出向いて手掘りの確認を行った方が確実ですね。

別に機械彫りで最終的に手彫りを行い、同じものが作れないような細工をしてくれればいいのに、なぜか手掘り仕上げを声高に叫ぶ開運印鑑業者が多いのもまた事実です。 続きを読む フォントがあれば機械彫りも簡単

象牙の輸入は密猟対策の資金源にもなるという一面

象牙はピアノの鍵盤やビリヤード球、三味線のバチや糸巻き、その他、茶器の一部などにも使われていましたが、今はほとんど代用品となり、一部を除いて象牙は使われていません。

その状況のなか、堂々と象牙を最高級品として販売し続けているのが印鑑です。

象牙は1989年、ワシントン条約によって輸入禁止措置が取られ、事実上の象牙貿易が終わったので、なぜ象牙が平然と使われているのか、と疑問を抱く人も多いでしょう。

実はその後、アフリカ各地で象の個体数が急増、間引きを必要とするほどの数から象にナンバリングを行うなどの措置を経て1999年、日本向けに限り1度だけ象牙貿易が再開されています。 続きを読む 象牙の輸入は密猟対策の資金源にもなるという一面