「運とツキの話」カテゴリーアーカイブ

ドーパミン分泌は手近な目標から

ドーパミン分泌による行動の効果はけっしてスポーツに限ったことではありません。

たとえば勉強。

苦手な科目があって毎回テストでは50点しか取れません。

親や先生からはもっと勉強しろ、と言われてもいきなり100点を取ることはハードルが高すぎてやる気も起きないでしょう。

勉強に限ったことではありませんが、義務感で行うことにアドレナリンは分泌されません。

100点満点で50点でも、生命維持に問題はまったくないので当然、アドレナリンが出るわけもなく、集中力を高めることも闘争をコントロールすることもできず、仮にアドレナリンが出たとしたらそれこそ逃走が勝ってしまいます。 続きを読む ドーパミン分泌は手近な目標から

褒めて育てるの原理とは?

褒めて育てる。

この言葉もドーパミンとアドレナリンの仕組みを考えると説得力のある言葉と受け止められます。

子供の教育を考える時、この2つのことは絶対に外せません。

ちなみに幼少期の脳における前頭前野を含む前頭連合野はほとんどチンパンジーと同じで、この時期の神経回路ループでは愛情や怒りなど生物学的な感情を学んでいます。

この幼少期に親がたっぷり愛情を注ぐと、それが帯状回や扁桃体に情報として蓄積され、やがて前頭前野の思考によって他人にやさしい慈愛溢れる人になるということですね。 続きを読む 褒めて育てるの原理とは?

子供を叱る時は逃げ道を用意する

褒めて育てることがドーパミンによって効果的であることは分かりました。

しかし子供は社会的な善し悪しを経験上、理解しているわけではありません。

もちろん、大人だって社会的な善し悪しは理解できていませんが、それでも経験上、子供よりは理解していなければなりませんし、時には子供が社会的に悪いことをしたら叱らなければいけません。

そこで考えるのがアドレナリン効果。

子供は叱られると逃げ出したくなります。

アドレナリンによるflight、逃走部分ですね。 続きを読む 子供を叱る時は逃げ道を用意する

快の感情のループが学習能力を高める

ドーパミン分泌を利用した行動の効率化はスポーツや勉強、子供の教育だけではなく、さまざまな行動に応用できます。

たとえば専業主婦の家事にも十分、役立たせることができますね。

汚れた部屋の掃除、なかなか手をつけることができない人は時間を限定して、その時間内に掃除を完了したら自分にご褒美を与える(もちろん家計の許す範囲内で、ということですが)というのはどうでしょう。

このドーパミン、なかなか優しいところもあって物事を始める前に快の感情を再現してくれることもあります。

ただし、ご褒美を自分に与えることの想定は快の感情を再現するだけであって、実際の快の感情ではなく感情の記憶ですね。 続きを読む 快の感情のループが学習能力を高める

ドーパミン分泌が増える弊害

ドーパミン分泌が盛んになると大脳基底核や大脳皮質の活発化が起こり、神経回路のループに伴って情報量の蓄積が増えます。

では、ドーパミンが増えるほど脳は活発化するのか、という疑問が生じますね。

生物学的であれ社会的であれ、目的の欲求を達成すると快の感情が与えられ、ドーパミンが分泌します。

ドーパミンニューロン(神経細胞)の軸索先端にある突起から発射されたドーパミンはドーパミンニューロンが関与している脳の各部位にあるドーパミン受容体に付着することで情報が蓄積されます。

つまり、いくらドーパミンが分泌されてもドーパミン受容体の数が少なければドーパミンは無駄撃ちになってしまうわけですね。 続きを読む ドーパミン分泌が増える弊害

怖いドーパミン分泌の減少

ドーパミン分泌とドーパミン受容体の互いが増強しあう関係は依存症を生み出すこともありますが、ほとんどの場合、その依存症は社会的に大きな影響を与えるものではなく、人格形成の一貫に過ぎない程度で、習慣とのボーダーラインも曖昧です。

快の感情がループしていると部屋の掃除がいつもの時間にできないと不快になるとか、毎日勉強しているから風邪を引いていても机に向かってしまうとか、毎日ゴルフの練習をしているから真冬の寒い日でも練習場に出かけるとか、そういう人、いっぱいいますよね?

これらはすべて依存症のうち。

そう考えると、誰でも依存症って持っているものなんですね。 続きを読む 怖いドーパミン分泌の減少

行動への動機付けが気迫になる病気

高齢者の無気力にはドーパミン不足による動機付けの欠乏が指摘されていますが、ドーパミン分泌が完全になくなるともっと深刻な病気、パーキンソン病になります。

この病気はまだ世界で発症の原因も分からず効果的な治療が見つかっていないことから日本では難病に指定されており、身体的には手足、顔、上肢全体といった部位に震えが見られ、表情が乏しくなって動作が緩慢になります。

精神的には感情が乏しくなり、快感喪失や不安、幻視、認知障害を併用します。

中年以降、高齢になるにしたがって発症する病気ですが、進行が緩やかなため自覚症状の少ないことが特徴のひとつ。 続きを読む 行動への動機付けが気迫になる病気

まったく効果のないアドレナリン・ダイエット

ネットで時々見かける怖い話(といってもホラーの類ではありません)。

アドレナリン・ダイエットという方法の推奨もそのひとつです。

理論としては、アドレナリンが分泌すると体は緊張状態になり空腹感を感じなくなる、筋肉の血管が膨張して血流がよくなるので脂質のエネルギーを溶かして血中のブドウ糖を上げる、つまり食事をしなくても平気だし、脂質を溶かすから痩せる、だそうです。

アドレナリンを分泌させるためには体にストレスを与えること、だから運動をしてアドレナリンを分泌させます、そのためにはストレッチを1分もすれば十分、などという理屈。 続きを読む まったく効果のないアドレナリン・ダイエット

脳の平静を保つセロトニン

ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質のことを紹介したので、その他の神経伝達物質についても少し触れておきましょう。

ドーパミンやアドレナリンと同じくアミノ基をひとつだけ持つモノアミン神経伝達物質のなかにセロトニンがあります。

この神経伝達物質、そのほとんどが小腸にある腸クロム親和性細胞というところで生成されており、わずか2%程度がセロトニン神経で生成されて生体リズムや睡眠、体温調整のために脳内を駆け巡っています。

セロトニンの効果でもっとも知られているのはドーパミンやアドレナリンの調整装置であること。

ドーパミンは達成感による快の感情を与え、アドレナリンはfight or flightの二者択一を要求するどちらも交感神経を活発にする伝達物質ですが、過剰に分泌されると活性化が進みすぎ、脳内をオーバーヒートさせてしまいます。 続きを読む 脳の平静を保つセロトニン

苦しさ痛みを多幸感に変えるエンドルフィン

さて、ここまで登場した神経伝達物質は過激なアドレナリンと報酬系ドーパミン、生体リズム系セロトニンですね。

この代表的な3つの神経伝達物質を紹介するならば、避けて通れないのがエンドルフィン。

これは脳内モルヒネと呼ばれるほど多幸感をもたらす神経伝達物質で、ドーパミンよりもストレートに生命維持に対して報酬を与える物質です。

エンドルフィンの効果をもっとも分かりやすく説明するとしたら座禅です。

いきなりとんでもないところへ飛びましたが、長く座禅を組むとそのうち足が痺れてきますよね。

さらに座禅を続けると痺れが痛みに変わるけれど、その痛みを通り越すと、ふと痛みが途切れ、何も考えられなくなるようなボーっとした気分になってきます。 続きを読む 苦しさ痛みを多幸感に変えるエンドルフィン

ツキは最後の一手に取っておく

ここまで読まれた方で「ドーパミンでツキを呼ぶ方法なんてどこにも出てこないじゃないか!」とお怒りの人もいるでしょう。

ごもっとも。

一度だけ家事のところで箪笥を動かしたら千円札が出てくるようなツキもあるとはご紹介していますが。

確かにドーパミンを始めとする神経伝達物質を効率よく使ったところでツキを呼ぶことはできません。

アインシュタインが言った「神はサイコロを振らない」でも分かるようにツキは人の意思や努力ではどうにもならない物理的法則です。

そもそも、ツキという言葉が博打用語ですから。 続きを読む ツキは最後の一手に取っておく

潜在意識の活用方法!壁の向こう側

このタイトルに惹かれて読もうと思った人は、おそらく『成功』というキーワードに対して執着心のある人でしょう。

もちろん、誰にでも成功したい、という気持ちはあります。

ただし、成功を知っている人と成功を知らない、あるいは成功を成功と認識できない人がいます。

貴方はどちらですか?

もし、成功を知っている人が、さらに成功を望んでいるのならここを読む必要はありません。 続きを読む 潜在意識の活用方法!壁の向こう側