「運とツキの話」カテゴリーアーカイブ

緊張こそアドレナリン分泌の証拠

アドレナリンは恋愛に対して効果を発揮しませんが、スポーツの世界では当たり前のように利用されています。

もちろん分泌させたからといってドーピングに引っかかることもありません。

これも経験している人なら分かるでしょう。

試合で自分の順番が近づいてくるほど、心臓の動悸は激しくなり、練習したことも忘れ、応援してくれている人の顔も見えなければ声も届かず、本番に際してなお、手足が震えている、といった状況。

緊張、ですね。

スポーツのほとんどは闘争本能の代替行為です。 続きを読む 緊張こそアドレナリン分泌の証拠

アドレナリン全開の究極なスポーツ

スポーツの世界では、むしろアドレナリンを出すことこそ結果につながると考えられています。

相撲の立会前に顔をパンパンと叩く行為、ハンマー投げの瞬間に大声を出すこと、野球の円陣、これらはすべてアドレナリン分泌に影響しています。

アドレナリンを分泌させることによって集中力、攻撃性、運動能力が高まり、それまで練習で培ってきた総合力の発揮へつなげることはできるのです。

その際たるスポーツがボクシング。

ギリシャでオリンピックが誕生して以来、けっして途切れることなく続けられているスポーツにアドレナリンの分泌は欠かせません。 続きを読む アドレナリン全開の究極なスポーツ

自然界ではアドレナリン分泌が生命を守る

窮鼠猫を噛む。これもよく聞く言葉です。

猫に追い詰められたネズミは逆に猫を噛むことから、弱い立場でも追い込まれると強い立場に反撃して痛手を負わせることがあるという喩えですね。

やはり完全にアドレナリン全開状態にならないと起こりえない現象です。

闘争か逃走か。

二者択一のうち、その逃走ができなくなれば闘争しかありません。

捕食動物は捕食される側より絶対的な有利を持っているように感じられますが、実際、捕食する側が簡単に捕食される側を倒すというような状況はなく、捕食される側が捕食する側を攻撃して撃退することは自然界のなかでよくあることなのです。 続きを読む 自然界ではアドレナリン分泌が生命を守る

緊張を闘争に変えるのは練習量しかない

スポーツの試合の前に緊張することは悪いことではありません。それだけアドレナリンが分泌して試合に備えているという証なのですから。

経験値の高い選手(まれに経験値が少なくとも天賦の才を持つ選手もいますが)ほど、このアドレナリンの分泌を高揚として受け入れ、時には楽しむことさえしています。

闘争か逃走か、という二者択一のうち、逃走を自ら減少させ、闘争だけを研ぎ澄ませている選手ですね。

残念ながら、本能の一部である逃走を減少させる効果的で普遍的なマインドトレーニングは見つかっていません。

逃走を減少させることが上手な選手は各々、自分に合った方法、たとえば試合の前に興奮作用のある、あるいは逆にヒーリング効果のある音楽を1人で聞くとか、個室トイレに入って大声で叫ぶとか、試合がある日の朝は必ず靴下を右足から履くとか、時には他の人に理解できない方法を持っています。 続きを読む 緊張を闘争に変えるのは練習量しかない

緊張と向き合う方法

アドレナリン分泌はスポーツに限ったことではありませんね。

書道にも大会はあるし、音楽関連の発表会や仕事のプレゼンテーションなどでもアドレナリン分泌量に個体差があるにせよ分泌はします。

闘争、という言葉が的確ではないとしても、立ち向かう現実であることに変わりありませんし、その現実に対して失敗しないように、上手に、練習の成果を出すように、と思う人ほどアドレナリン分泌が盛んになります。

アドレナリン分泌による現象、つまり緊張の対処法はスポーツと変わりありません。

本人の緊張を理解せずに周囲の人はリラックスしろ、と言いますが、これは間違い。 続きを読む 緊張と向き合う方法

ドーパミンは行動すべてに関わる神経伝達物質

緊張、すなわちアドレナリン分泌状態に陥った時、アドレナリンの持つ特性である逃走的本能を減少させることで、その状況を効果的に運ぶことできます。

その減少方法は各々で見つけるしかありませんが、方法を見つける効果的なトレーニングはあります。

それはドーパミンの分泌を盛んにすること。

ドーパミンを盛んにするとアドレナリンも分泌されてしまうのでは?と疑問を持たれた人は、このコラムをきちんと読まれている人ですね。

確かにドーパミンは脳内の神経細胞(ニューロン)によって生成されるノルアドレナリン、アドレナリンの前駆体です。 続きを読む ドーパミンは行動すべてに関わる神経伝達物質

ドーパミンが与える快の感情

ドーパミンはけっして「快楽」だけを司る神経伝達物質ではないのですが、「快楽」を司っていると聞くと、興味がそちらに向くのは人間の性ですね。

興味津々の方はすでにドーパミンが分泌していると思ってください。

せっかくドーパミンが分泌されているのですから、それを活かすためにも先にドーパミンが報酬系神経伝達物質と呼ばれている理由を説明しましょう。

人を含む動物には生物学的欲求があります。

喉が乾く、お腹が減る、寒い、暑い、といった生命に関わる欲求のことで、この欲求を満たさないと生命維持が不可能となります。 続きを読む ドーパミンが与える快の感情

ドーパミン・コントロールは人間だからできる業

人と動物には生物学的欲求がありますが、人には動物以上に社会的な欲求があります。

肉親、他人に関わらず褒められると嬉しくなります。

好きな異性から愛されていると実感すれば幸福感が溢れます。

仕事が思った通りに運んで成功すれば充実感に漲ります。

これらは社会的な欲求に対する報酬で、ドーパミンが盛んに分泌されている状態になります。

そして、人に限っていえば社会的欲求の報酬があるほど行動の活発化が見られるのです。 続きを読む ドーパミン・コントロールは人間だからできる業

緊張したら成功を思い浮かべる

緊張、つまりアドレナリンが分泌している状態は本能的にfight or flightの状態であり、flight、逃走部分を減少させることで緊張を活用することができます。

ただし、その逃走部分の減少方法は各々で見つけるしかありません。

もちろん、誰でも一度は試して見る価値がある方法は存在します。

それは緊張が始まったら、成功している自分の姿を思い浮かべることです。

緊張の対象がスポーツの試合だったら勝った時の喜び、プレゼンだったら終了後の拍手などを思い浮かべるだけで、過去に味わった報酬系が刺激され、ドーパミンが分泌されて快の感情を与えてくれます。 続きを読む 緊張したら成功を思い浮かべる

学習できない人はドーパミン分泌が少ない?

ドーパミンは快の感情を与える因子で、このドーパミン分泌によって人の行動は大きく左右されます。

ドーパミンが報酬系と呼ばれる所以ですが、快の感情はドーパミンが持つ機能のひとつに過ぎません。

学習しないヤツ、なんてよく言われますが、これは同じ失敗を何度もする人のことですね。

学習しない、ということは同じことを繰り返す、つまりいつでも出会った事象に対して初めての時と同じ行動を起こすということでもあります。

これはドーパミンが分泌していないばかりか神経回路のループが活発化していない証拠。 続きを読む 学習できない人はドーパミン分泌が少ない?

ループで蓄積される経験情報

ドーパミンは快の感情を与える神経伝達物質でもありますが、それらはドーパミン本来の機能、学習を活発化させることに含まれています。

もう少し神経回路のループについて説明しましょう。

大脳基底核は文字通り脳の最下部にあり、大脳皮質や視床、脳幹などの神経が集まっている核の部分で運動調節を始め、認知、感情、動機、学習など人として行動する上でのさまざまな機能に関わっています。

大脳皮質には各部位があり、とくにドーパミンと深く関わっているのは前頭前野と帯状回です。

前頭前野は人としてもっとも発達した脳の部分で、もっとも遅く発達するところでもあります。 続きを読む ループで蓄積される経験情報

効果的な練習で快の感情を得る

ドーパミンは人間の行動を司る脳の部分に刺激を与え、それをループさせることによって脳は情報を蓄積していきます。

ドーパミンが分泌されるほどループは活性化されるので行動を決める情報量は多くなっていくわけです。

これを日常の生活に利用しない手はありません。

もう一度スポーツに戻りましょう。

緊張はアドレナリン分泌によって起こるもので、逃走をドーパミン効果で減少させることにより緊張を効果的に使う方法を説明しましたが、これは一種のセルフマインドコントロール。 続きを読む 効果的な練習で快の感情を得る