「開運グッズ検証」カテゴリーアーカイブ

開運印鑑の統一性

開運印鑑の書体は印相体と呼ばれ、印章は吉相印と称しています。

この印相体の特徴は篆書体が元になっていますが、前述したように丸い枠に接点を持つ書体で、開運印鑑を作る業者いわく枠の外に広がる書体だとか。

したがって丸枠の外周にある8つの分館、家族だとか名声だとか社交だとか(これも開運印鑑業者によって若干、違いが出てきます)、そういった方向に広がりを見せる、という運気を得られるといいます。

開運印鑑もここで留めておけば良かったのですが、長年、印鑑に使われていた伝統の書体である篆書体を、丸い枠に収めた文字は四方に伸びがなく行き止まり感が強い、運気に勢いがない、と決めつけるのですから、それまで篆書体の伝統を守ってきた印鑑業者が怒るのも無理はありません。 続きを読む 開運印鑑の統一性

開運印鑑はアレもダメこれもダメ

印相学を元にした印鑑、かなり「してはいけない」ルールがあります。

その一例を紹介しましょう。

◆印鑑の印章は真円でなければいけません、印鑑は小さな宇宙であり、あなたという全存在がこの印鑑という小さな宇宙のなかに全て込められているといってもいいでしょう(宇宙が真円である、といつ判明したのでしょうか?)。

◆四角印は発展性がないので努力しても報われず運勢にムラがあり、角が立っているので周囲の人とぶつかりやすい傾向があります(角を取って丸くなれば面積は小さくなりますが、人間性は小さくならないのでしょうか?) 続きを読む 開運印鑑はアレもダメこれもダメ

開運印鑑は占いの一種

開運印鑑、歴史的に見ても近年になって突然、現れた商法です。

印相、とは本来、ヒンドゥー教や仏教の用語で、両手の形によっていろいろな意味を表現する言葉。

仏像が片手を上げて手の平を見せ、もう一方の手を膝の上に乗せて手の平を見せる、あのポーズのことです。

したがって本来の印相と開運印鑑が用いる印相学はまったくの無関係で、開運印鑑の印相は手相、顔相といった占いの用語から発生した同じ類の言葉です。

つまり開運印鑑とは占いの一種ですね。

パワーストーンがそうであるように、根底にあるのは明らかにニューエイジ思想への需要。 続きを読む 開運印鑑は占いの一種

フォントがあれば機械彫りも簡単

そうそう、篆書体にフォントができたことの弊害について書き残していました。

現在、印章の主流はコンピューター彫刻機械によるものなので、フォントさえあれば印相体という篆書体に似て非なる書体も簡単に製造できてしまいます。

手掘り、と称しているところでも仕上げだけを手で行い、粗方をコンピューター彫刻機械で行っているところが多いとか。

本当の手掘りを購入するなら、インターネットで申し込みするのではなく必ず店頭まで出向いて手掘りの確認を行った方が確実ですね。

別に機械彫りで最終的に手彫りを行い、同じものが作れないような細工をしてくれればいいのに、なぜか手掘り仕上げを声高に叫ぶ開運印鑑業者が多いのもまた事実です。 続きを読む フォントがあれば機械彫りも簡単

象牙の輸入は密猟対策の資金源にもなるという一面

象牙はピアノの鍵盤やビリヤード球、三味線のバチや糸巻き、その他、茶器の一部などにも使われていましたが、今はほとんど代用品となり、一部を除いて象牙は使われていません。

その状況のなか、堂々と象牙を最高級品として販売し続けているのが印鑑です。

象牙は1989年、ワシントン条約によって輸入禁止措置が取られ、事実上の象牙貿易が終わったので、なぜ象牙が平然と使われているのか、と疑問を抱く人も多いでしょう。

実はその後、アフリカ各地で象の個体数が急増、間引きを必要とするほどの数から象にナンバリングを行うなどの措置を経て1999年、日本向けに限り1度だけ象牙貿易が再開されています。 続きを読む 象牙の輸入は密猟対策の資金源にもなるという一面

開運グッズで幸運が巡ってきたら要注意

開運グッズの最右翼、パワーストーンと開運印鑑を取り上げてみましたが、どちらも開運に関する根拠は神秘的要素なので論理的に物事を考える人には向いていないでしょう。

しかし、幸運や不運が理不尽、無節操に訪れるものである以上、それの拠り所が神秘性であってもまったく問題なく、その神秘性があるからこそ開運グッズが成り立つともいえます。

この世に存在する、あらゆる開運グッズはパワーストーンや開運印鑑に負けず劣らず、神秘性とイメージと語呂合わせで成立しており、購入者も論理性など求めておらず、その開運グッズに対する価格は神秘性を含めた価値として認めているわけですから需要と供給が生まれているのです。 続きを読む 開運グッズで幸運が巡ってきたら要注意

開運グッズの権威と効果

パワーストーン、開運印鑑と並んで開運グッズ御三家といえば風水があります。

風水も極端に言ってしまえば占いの域を出ていないのですが、陰陽五行、八卦に易、方位などが組み合わせられた思想でもあるので前述2品とは一概に比較できず、本格的に風水を学んだ人はそれなりに説得力があります。

だからといって巷で多く売られている風水関係の開運グッズがすべて本格的な風水を基本としているものばかりではなく、むしろ風水のおいしいところだけをピックアップして風水の開運グッズと称し、販売しているので開運効果に関しては前述二品と大差ありません。

不思議なことに開運と欲が結びつくと開運グッズにある程度の権威がつかないと効力がないと思い込み、さらに安価ではなおさら効果がないと感じるのが開運グッズを欲しがる人の心理。 続きを読む 開運グッズの権威と効果

ネイティブ・アメリカンのドリームキャッチャー

日本のお守りは開運というよりも厄災除けが本来の用途で、海外を見ると日本のお守り同様、ラッキーアイテムは厄から守る目的のものが多いようです。

たとえばドリームキャッチャー。

これ、日本でもかなり有名な存在になりました。

ネイティブ・アメリカンのオジブア族に伝わる装飾品で、小さな円形の枠に蜘蛛の巣状の粗い糸を張り巡らせ、その周囲や下に羽根を飾ったアイテムですね。

本来は子供を悪夢から守る魔除けでしたが、やがて悪夢は網目に引っかかって夜明けと共に去り、良い夢だけが枠の周囲にある羽根を伝わって眠っている人の元に入る、という力を持つようになりました。 続きを読む ネイティブ・アメリカンのドリームキャッチャー

知的な象徴のフクロウ

ヨーロッパに行くとラッキーアイテムは動物が象徴になることが多く、その動物のキーホルダーや置物を置くことで動物の持つ幸運を呼び寄せる風習が残っています。

たとえばフクロウ。

古代ギリシャ神話のなかでは女神アテナの従者として扱われています。

オリュンポス12神の1柱であるアテナは知恵や芸術、工芸や戦略を司る女神であることからその従者であるフクロウは知恵の象徴とされており、受験生や頭脳労働者にフクロウ関連のグッズをプレゼントすると大変、喜ばれます。

日本の太宰府天満宮菅原道真みたいな存在ですね。 続きを読む 知的な象徴のフクロウ

ブタは金運の象徴

日本でもお馴染みのブタ型貯金箱。

ところで、なぜブタ型であるか知っていますか?

この起源、じつはヨーロッパにあります。

起源のひとつは18世紀のイギリスで、陶芸職人のところへ依頼に来た客がpygg(ピッグ:陶器)で貯金箱を作ってくれ、といったところ、陶芸職人はPig(ピッグ:ブタ)と勘違いしてしまい、そのまま製造したところ、そのブタの貯金箱が可愛かったのでそのまま使ったのが広まった、という説。

これに似た話では余ったコインを赤い陶器(pygg)の壷に入れ、これをピギー銀行(pyggy bank)と呼んでいましたが、ピギーがブタを連想させることからブタの貯金箱ができたという説。 続きを読む ブタは金運の象徴

ケルトを発祥とするホースシュー(馬蹄)

ヨーロッパからのラッキーアイテムをもうひとつ。

日本ではあまり馴染みがありませんが、馬蹄の蹄鉄は意外とポピュラーなラッキーアイテムなのです。

馬蹄の蹄鉄、ホースシューは馬の蹄(ひずめ)を傷めないよう、蹄に合わせたU字型の鉄製で、蹄に鋲で固定される装具のことですが、これがラッキーアイテムになったのは古く、その発祥は諸説あります。

そのひとつはケルト神話にあり、ケルト人がケルトに住んでいたダーナ神族を鉄器と騎馬で打ち負かしたことから邪鬼などの異界の住人は鉄を嫌う、という伝承から馬の蹄鉄が魔除けとなり、その後、魔除けの意味が薄れて馬の持つ強い力が幸運を引き寄せる、というラッキーアイテムに変わった説。

もうひとつもケルト地方からですね。 続きを読む ケルトを発祥とするホースシュー(馬蹄)

ホースシュー(馬蹄)の飾り方

ヨーロッパではポピュラーなラッキーアイテムのホースシュー(馬蹄)ですが、地方によって飾り方の方法が違っているようです。

基本となるのはU字型の両端を上に向ける方法で、この開いている部分から幸運が舞い込み、たくさん貯まるというもの。

この開いている部分が下を向くと幸運が溢れるそうですが、逆に開いている部分を下に向ける地方もあり、さらに上を向ければ幸運を招き、下を向ければ魔除けになる、という万能ラッキーアイテムの地方もあります。

また幸運が訪れるのは扉にかけた人ではなく、そのホースシューの持ち主であり、したがってホースシューを借りたり盗んだりしても本人にはまったく効果が表れない、というところがあれば子供が病気にならないように、と子供の枕元に置く風習まであり、ホースシューが多彩な運に対して効力を持っていることが伺われます。 続きを読む ホースシュー(馬蹄)の飾り方