「ドーパミンとツキ」カテゴリーアーカイブ

怖いドーパミン分泌の減少

ドーパミン分泌とドーパミン受容体の互いが増強しあう関係は依存症を生み出すこともありますが、ほとんどの場合、その依存症は社会的に大きな影響を与えるものではなく、人格形成の一貫に過ぎない程度で、習慣とのボーダーラインも曖昧です。

快の感情がループしていると部屋の掃除がいつもの時間にできないと不快になるとか、毎日勉強しているから風邪を引いていても机に向かってしまうとか、毎日ゴルフの練習をしているから真冬の寒い日でも練習場に出かけるとか、そういう人、いっぱいいますよね?

これらはすべて依存症のうち。

そう考えると、誰でも依存症って持っているものなんですね。 続きを読む 怖いドーパミン分泌の減少

行動への動機付けが気迫になる病気

高齢者の無気力にはドーパミン不足による動機付けの欠乏が指摘されていますが、ドーパミン分泌が完全になくなるともっと深刻な病気、パーキンソン病になります。

この病気はまだ世界で発症の原因も分からず効果的な治療が見つかっていないことから日本では難病に指定されており、身体的には手足、顔、上肢全体といった部位に震えが見られ、表情が乏しくなって動作が緩慢になります。

精神的には感情が乏しくなり、快感喪失や不安、幻視、認知障害を併用します。

中年以降、高齢になるにしたがって発症する病気ですが、進行が緩やかなため自覚症状の少ないことが特徴のひとつ。 続きを読む 行動への動機付けが気迫になる病気

まったく効果のないアドレナリン・ダイエット

ネットで時々見かける怖い話(といってもホラーの類ではありません)。

アドレナリン・ダイエットという方法の推奨もそのひとつです。

理論としては、アドレナリンが分泌すると体は緊張状態になり空腹感を感じなくなる、筋肉の血管が膨張して血流がよくなるので脂質のエネルギーを溶かして血中のブドウ糖を上げる、つまり食事をしなくても平気だし、脂質を溶かすから痩せる、だそうです。

アドレナリンを分泌させるためには体にストレスを与えること、だから運動をしてアドレナリンを分泌させます、そのためにはストレッチを1分もすれば十分、などという理屈。 続きを読む まったく効果のないアドレナリン・ダイエット

脳の平静を保つセロトニン

ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質のことを紹介したので、その他の神経伝達物質についても少し触れておきましょう。

ドーパミンやアドレナリンと同じくアミノ基をひとつだけ持つモノアミン神経伝達物質のなかにセロトニンがあります。

この神経伝達物質、そのほとんどが小腸にある腸クロム親和性細胞というところで生成されており、わずか2%程度がセロトニン神経で生成されて生体リズムや睡眠、体温調整のために脳内を駆け巡っています。

セロトニンの効果でもっとも知られているのはドーパミンやアドレナリンの調整装置であること。

ドーパミンは達成感による快の感情を与え、アドレナリンはfight or flightの二者択一を要求するどちらも交感神経を活発にする伝達物質ですが、過剰に分泌されると活性化が進みすぎ、脳内をオーバーヒートさせてしまいます。 続きを読む 脳の平静を保つセロトニン

苦しさ痛みを多幸感に変えるエンドルフィン

さて、ここまで登場した神経伝達物質は過激なアドレナリンと報酬系ドーパミン、生体リズム系セロトニンですね。

この代表的な3つの神経伝達物質を紹介するならば、避けて通れないのがエンドルフィン。

これは脳内モルヒネと呼ばれるほど多幸感をもたらす神経伝達物質で、ドーパミンよりもストレートに生命維持に対して報酬を与える物質です。

エンドルフィンの効果をもっとも分かりやすく説明するとしたら座禅です。

いきなりとんでもないところへ飛びましたが、長く座禅を組むとそのうち足が痺れてきますよね。

さらに座禅を続けると痺れが痛みに変わるけれど、その痛みを通り越すと、ふと痛みが途切れ、何も考えられなくなるようなボーっとした気分になってきます。 続きを読む 苦しさ痛みを多幸感に変えるエンドルフィン

ツキは最後の一手に取っておく

ここまで読まれた方で「ドーパミンでツキを呼ぶ方法なんてどこにも出てこないじゃないか!」とお怒りの人もいるでしょう。

ごもっとも。

一度だけ家事のところで箪笥を動かしたら千円札が出てくるようなツキもあるとはご紹介していますが。

確かにドーパミンを始めとする神経伝達物質を効率よく使ったところでツキを呼ぶことはできません。

アインシュタインが言った「神はサイコロを振らない」でも分かるようにツキは人の意思や努力ではどうにもならない物理的法則です。

そもそも、ツキという言葉が博打用語ですから。 続きを読む ツキは最後の一手に取っておく