新宿住友ビルに太田道灌を救ったといわれる黒猫、玉ちゃんを作ったのは、世界的に有名な彫刻家の流政之氏。
流氏の作品「受」はMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久保存作品、つまりパーマネントコレクションとして収蔵されており、1967年のTIME誌では日本を代表する文化人の1人にも選ばれています。
1970年代に入ると日本でも注目され、神奈川県立近代美術館や東京海上日動火災ビルなどに作品を展示していますが、猫をモチーフにした作品はこの玉ちゃんだけでなく、他にもあります。
ニューヨークで「ストーンクレージー」を発表する前年、1963年には銀座4丁目の三愛ドリームセンターには「コイコリン」という一対の猫が置かれました。
右のオスには「ごろべえ」、左のメスには「のんき」と名前がつけられています。
1961年に映画化された「銀座の恋の物語」を下地にしており、現在は「銀座の恋の招き猫」として親しまれていますが、これも流政之氏の作品です。
それから日本IBM本社裏手に置かれている黒猫の彫像「たんま」も流氏の作品ですね。
「たんま」はもちろん、幼児語の「ちょっと待って」の意味。
世界的に有名な彫刻家が、伝説的なエピソードとしてはあまり知られていない太田道灌と黒猫の話を下地にして、黒猫を新宿住友ビルの広場に彫像を設置するなんて、なかなか素敵な話だと思いませんか?
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