流政之氏が作った黒猫の玉ちゃん

室町時代後期、江古田・沼袋原の戦いで太田道灌を救ったのは黒猫でしたが、その太田道灌が猫地蔵を奉納した自性院の招き猫はなぜか白猫です。

これを不憫に思ったのか、新宿住友ビルには黒猫の彫像が置かれています。

台座の説明文には誰にでも分かるように、平易な文章で太田道灌と黒猫のエピソードが書かれており、「名ものこらぬはふびん 江戸のいいたま 玉ちゃんと名づけ のちのちまで江戸のまもりとす」と最後をまとめています。

確かに作られた彫像は招き猫ではなく斜め上方を向き、手にはこれも艷やかな珠を大事そうに掲げています。

さて、これを作った人は誰かと見てみれば。

つくりびと 流 政之、と書かれています。

それ誰?と疑問を抱いた人は現代美術史を少しだけでいいから勉強してくださいね?ここは「えーっ!」とびっくりするところですから。

といっても、どうせ現代美術史をちょっとだけでも勉強する人なんていないはずですから、ここで流政之氏の業績の一部だけを紹介しますね。

流氏は1923年生まれで現在もご存命です。

世界的に有名な彫刻家で、1964年、ニューヨーク世界博覧会で壁画「ストーンクレージー」を展示、一気に注目を集めた人です。

ちなみにこの「ストーンクレージー」を作成するために、日本から2500個、約600tの石を運んだそうです。

流氏のお話、もう少し続けます。

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