魔女狩りにおける黒猫の受難の話が、前項では魔女狩りで終わってしまいました。
さて、なぜ黒猫が一緒になって受難しなければならなかったのでしょうか?
まずヨーロッパでは、というよりキリスト教では黒という色が悪魔を連想させること、黒猫はその毛色から暗闇では人間の眼に触れることなく存在することが可能であること、さらにヨーロッパのお伽話や寓話に登場する魔女は必ず黒猫を飼っていること、などが理由として上げられます。
日本で黒猫が福をもたらす、という理由も馬鹿げていますが、黒猫を大切にするという意味では罪がないといえます。
しかしヨーロッパにおける黒猫の不吉な理由は日本以上に論理的でなく、しかも殺害するという大きな罪を持っています。
この辺りが宗教、あるいは宗教を信じる人の大きな矛盾ですね。
魔女狩りで私刑(リンチ)をする際、必ず生贄として黒猫を捧げ、ベルギーのとある町では「猫の水曜日」に時計台から黒猫を投げ殺すという行事を19世紀まで続けていました。
今でも、黒猫に対する迷信は残っており、とくにキリスト教のお膝元、イタリアでは迷信を信じる一般市民によって年間約6万匹もの黒猫が殺されていると言われています。
シャーロック、お前、日本に生まれてよかったな。