リオ・オリンピックでは内村航平さんの鉄棒における着地が話題になりましたが、一緒にTVを見ていた我が家の黒猫シャーロックは一瞥しただけで関心も示しませんでした。
まるで「まあ、人間にしちゃたいしたものだろうが、所詮は猫の足元にも及ばないよ」とでも言いたげに。
たしかに猫の着地、内村航平さんでも敵いません。
この着地を決めるのは内耳もありますが、先に筋肉から説明しましょう。
猫が着地をピタリと決めるのは腹筋が発達しているからです。
猫の腹筋には腹直筋と腹横筋、さらに外腹斜筋があり、肋骨と骨盤、脊柱を結んでいます。
背中から落ちる時、この腹筋群が脊柱を回転させ、つねに上部へ向けることができるので足から着地することができるわけですね。
この脊椎を上部に向けるための役割を担っているのが人間と同じ、内耳にある三半規管です。
高いところから落ちても空中立位反射を瞬間的に行えるので足を地面に向けることができます。
もちろん人間にもこの機能は備わっていますが、猫ほど瞬間的に行うことはできず、前述したように猫のような腹筋群もないのでうまく着地できないわけですね。
猫の三半規管は動物の中ではとくに発達しており、空中立位反射は0.125~0.5秒しかかかりません。
とはいえ、体操の伸身新月面宙返りなんて、とても人間技とは思えないのも確かですが。